平成26年11月16日、13:00~14:30まで、NHK文化センター 札幌教室にて開催された。
途中休憩をはさんで、13:30頃まで椅子坐禅。その後、約30分写経をする。
つづいて、蓮昌庵堀井妙泉老禅子の講話。今回の題は「禅とは何か」
はじめに、手の置きどころは、その時のその人の気持ちを表していること。合掌の形は、「和やかさ」、「満ち足りたもの」、「真剣」を表しており、その3つを深く掘り下げていくと己をむなしゅうするという気持ちに統一される。それは宗教の基盤である、と話される。
宗教には、自力門(自力で己をむなしゅうする宗教)と他力門(念仏を唱えて、自分を救う宗教)があるが、今回は、自力門の禅について話をします、と本題に入られる。
1、禅は哲学でも道徳でもなく、仏教の母胎であり、大乗仏教の真髄に徹したきわめて叡智的で、実践的な宗教である。
2、数息観により三昧力が身につくと、何をやってもはかどる。どんな喧噪の中でも集中でき、子供の学習や大人の仕事に効果がある。また,目前のやらなければならないことにすぐ取り掛かれるようになる。
3、済んだことを引きずってくよくよしたり、これから先のことを思いわずらったりせず、平常心を保てるようになる。ストレスを後に残さなくなり、今をしっかり自信をもって生きることができる。
4、三昧が身についてくると人間力がついてくる。仕事の出来に大きな影響がある。
5、人間力がつくと、言行が一致する。決断力がつく。タイミングよく間髪を入れず、働ける。組織力、チームワーク力がつく。ちっぽけな自己「俺が、私が」という自我があるようではうまくいかない。己をむなしゅうして補佐役に徹することもできれば、組織の長として、柔軟性、創造力、忍耐力、持続力などをもって仕事にあたることもできる。そうすると、組織としての成果も出る。
最後に、人生は楽しいことばかりではなく、むしろ苦しいことの方が多い。楽しいこと、苦しいこと、両方を受け入れて、楽しい時は楽しい三昧、苦しい時は苦しい三昧で、それを乗り越えていくのが智慧である、と話を終えられる。
(参加者 男性1名 女性4名 計5名)
芙蓉 拝