KUJ文化講演会in広島・呉
■11月2日(土)13:00~15:00
上田宗箇流 「武家茶道~分かりやすい茶の湯」と題して、上田宗篁若宗匠よりお話をいただきました。
御自分の体験談を交えながら、流祖上田宗箇のお話や武家茶道の特色、その伝統を受け継ぎながら、不易流行という言葉のとおり、それを現代の世に伝えて行くために工夫努力を重ねられていることなどを、率直にお話下さり、講演後の質問も活発に出されて、予定の時間を1時間以上もオーバーするほど充実した講演会になりました。
■11月3日(日)14:00~15:00
「坐禅のすすめ」と題して、禅フロンティア主宰 慧日庵笠倉玉渓老禅子よりお話をいただきました。
公案の初関とされる「父母未生已然本来の面目如何」を口切に、自分の人生に於いて如何とも為しがたい「縁」にどう向き合っていくか、その問題を良寛和尚の辞世「裏を見せ表を見せて散るもみじ」を引きながら、色即空、空即色という禅の境涯を、御自分の深い禅体験を元に、実に分かりやすく、活き活きと語られました。
また、中国と日本の禅の違いについて、中国では「山川国土」というところを、日本では「山川草木」と言い、「山川草木悉皆成仏」という天台本覚の思想を踏まえながら、日本人の自然を愛し、それと一体となった豊かな感性の中で、日本禅が味わい豊かなものに形成されてきた事を、さまざまな事例を挙げて説明されました。
そのお話は、聴く者をして、禅が如何なるものにも動ぜず、積極的に、しかも実に味わい深く人生を生きて行く力を与えてくれるものであるかを、十分に、しかも感動的に納得させる内容でした。初めて坐禅・参禅体験に来られた方々もおられましたが、自ずと「私も・・・」という思いに駆られるような素晴らしいお話でした。
その後、坐禅の仕方などについての指導や葆光庵丸川春潭人間禅総裁老師による参禅体験もあり、素晴らしい講演会になりました。
講師の先生方、御聴講の皆様、ありがとうございました。
山田破笠 合掌