平成25年10月20日(日)、NHK文化センター札幌教室において、蓮昌庵堀井妙泉老禅子による「写経と坐禅 ―禅を聞く会―」が開催された。
途中休憩をはさんで、13時25分頃までイス坐禅。その後、約30分、写経をする。
続いて、蓮昌庵老禅子の講話。今回の題は「足るを知る」。人間の根本的煩悩は、貪(貪欲)・瞋(瞋恚)・痴(愚痴)の三つ。このうち貪欲を退治するのがいちばん難しい。その心構えとして強調しているのが〈足るを知る〉ということ。遺教経、法句経、老荘の教え、華厳経の懺悔文、千利休、松平不昧などの言葉から〈足るを知る〉について詳しく説明される。それに比べて、私たち現代人は足るを知らず、あまたの犯罪を起こしている。戦争、強盗、殺人、傷害、詐欺、強姦など、社会悪が多い。若い人たちは、この心構えを消極的と感じたり、文化や技術の発展がなくなるのではないかと思うかもしれないが、そのことはまたの機会にお話しすることにする。あきらめてしまうこととも意味が違う。自分の身にあわない欲望を持って苦しむことのないように、足るを知り、ひとり一人が豊かな人生を生きてほしい、とお話を終えられた。(参加者 女性5名)
講座のあと、お茶とお菓子をいただきつつ30分ほど雑談をする。
受講者の方々は、イス坐禅では次々雑念がわいてくること、視線をどこに落としたらいいかよくわからないことなどを話された。坐禅の時ばかりでなく、いらいらした時など道を歩きながらでも数息観をすると、いつの間にか心が落ちついてくると話す人もいた。また、仏教の他の宗派と禅の違いについても質問が出た。蓮昌庵老禅子は、坐禅の仕方、雑念への対処の仕方、禅は仏教の母体であることなどを話された。
「悟りをひらくと、仏さまが見えるようになるんですか?」という質問もあり、ちょっとビックリした。
芙蓉 拝