心の教育で次代を担う人づくり

耕雲塾は、「耕雲種月(雲を耕し、月に種を植えるように、高い理想を掲げ、着実に努力する意)」

ニッセイ船橋 遺教経 第1回講座

ホーム  >  ブログ  >  ブログ  >  ニッセイ船橋 遺教経 第1回講座

ブログ - ニッセイ船橋 遺教経 第1回講座

ニッセイ船橋 遺教経 第1回講座

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
耕雲塾 2013/4/20 10:00
平成24年4月19日(木)10時半~12時まで、
ニッセイ・ライフプラザ船橋にて「遺教経 第1回講座」
無料セミナーが開催され、15名が受講した。
 

講師の笠倉奈都先生

お釈迦さまが亡くなるとき、遺した最後の教え
「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう)」
通称「遺教経(ゆいぎょうきょう)」のやすらぎ法話をされた。
 
以下、原文と解説文を記載する。
 
・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)、初めに法輪(ほうりん)を転じて阿若憍陳如(あんにゃきょうじんにょ)を度し、最後の説法に須跋陀羅(しゅばつだら)を度したもう。
 
*釈迦は、悟りを開かれて、最初の説法で阿若憍陳如を済度し、最後の説法で須跋陀羅を済度された。
 
・転法輪……釈迦が法を説くこと。
・度す……渡す。渡る。此岸から彼岸へ。
・阿若憍陳如……若き釈迦、ゴータマ・シッダルタが出家して苦行に入ったのを知った父王がガード役に任命した5人の友人の1人。
 
釈迦は最初ガヤーの苦行林で6年間、烈しい苦行をしたが、苦行は解脱の道でないと知り、ガヤーを出て水浴しスジャータの乳粥(ちちがゆ)を食べた。それを見た5人はゴータマが堕落したと見捨てて、遠い鹿野苑(ろくやおん)の苦行林へ行き修行を続けた。
 
ゴータマは菩提樹の下で坐禅をし、49日目、紀元前428年12月8日、明の明星を見た機会に悟りを開いた。35歳。
 
悟りを開いた釈迦は5人に伝えたいと250キロを10日で歩き鹿野苑へ行く。最初冷ややかだった5人は徐々に内容に触れ心が動き始め、特に憍陳如は深く理解した。それを見た釈迦が「アンニャ(知り終わった)、コンダンニャ(憍陳如)」と言った。釈迦の説法の最初が憍陳如であることから、この言葉が書かれている。
 
後に釈迦滅後の経典第一結集の際、阿難が鹿野苑での説法を誦えた時、阿若憍陳如は「この教えは実に私のために説かれたものだった。私の迷いの血を乾かし涙の海を尽くした。」と 摩訶迦葉尊者に語り地に倒れ周囲に助け起こされた、と伝わっている。
 
*須跋陀羅……バラモンの哲学者。釈迦が死の床にあるとき教えを乞いに来た。侍者の阿難は断るが釈迦は「私は法を説くものである。病をためらうことはない」と病床に招き入れた。須跋陀羅は当時120歳であったといわれ、教えに感激しその場で亡くなった。(孔子「朝に道を聞けば夕に死すとも可なり」)。釈迦最後の弟子であるところからこの言葉が記されている。
 
・応に度すべき所の者は皆已度し訖(おわ)って、沙羅双樹の間に於いて、将(まさ)に涅槃に入りたまわんとす。この時、中夜(ちゅうや)、寂然(じゃくねん)として声無し、諸の弟子の為に略して法要を説きたもう。
 
*釈迦は救うべき者は皆救い終わった、と沙羅双樹の間で、今まさに涅槃にお入りになられようとしていた。このとき、真夜中で寂然として静まりかえっていた。釈迦は多くの弟子のために仏法の大切なところをお説きになった。
 
・沙羅双樹は釈迦の死を悼み枯れて葉が白くなり鶴のように見えたので「鶴林(かくりん)」の名が生まれた。
・涅槃……ニネバーナの音訳。煩悩の火を吹き消す、の意。悟り。転じて釈迦の死、大般涅槃。
・中夜……午後10時から午前2時。
 
・汝等(なんだち)比丘(びく)、我が滅後に於いて当に波羅提木叉(はらだいもくしゃ)を尊重(そんじゅう)し珍敬(ちんぎょう)すべし。闇(あん)に明(みょう)に遇い、貧人の宝を得るが如し。当に知るべし、此れは即ち是れ汝等が大師なり。若し我れ世に住するとも此れに異なること無けん。
 
*修行者たちよ、私が亡くなった後は、波羅提木叉(戒)を私だと思って大切にしなさい。それは暗闇で光に遭ったように、貧しい人が宝を得るようなものである。よく知っておきなさい。戒律はあなたたちの大師である。もし私が死なずにこの世にあったとしても、戒律を守ることが大師であることに変わりはない。
 
・汝等……とあっても、読書とは違い、自分に語られている、と自分に引き寄せて読む姿勢が大切。
・仏道修行には、戒学・定学(坐禅)・慧学の3つがある。戒はいましめ、きまり、つつしむ、おしえ、等の意がある。悪いことはやめてよいことをする、と自分を戒め、きまりを守り、自分をつつしんで仏道に従う。「諸々の悪をなさず、すべての善を行い、我が心を清む、これ諸仏の教えなり(七仏通戒偈)」
 
ほっと心にしみる講師の法話に、涙を浮かべながらじっと聴き入る参加者の姿が印象的だった。
 
次回は、5月17日(木)10時30分~12時。
 
ニッセイセミナーのご案内・参加申し込みは、以下のリンク先をクリックしてください。
https://www.nissay.co.jp/okofficial/transactions/kfecdirect._ZRF0090_pso005#anc3


  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1660)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://kouunjuku.org/modules/d3blog/tb.php/25