昨今、各方面でドラッガーが取り上げられるなど、ビジネスでの成功や組織内でのモチベーショ
ンの上げ方、適切なポジショニングの意義は、仕事における単なる成果目的のためだけに留まらず、
人間としての幸福の追求に重ねられないかと模索する時代になっています。
「仕事だから個人の満足を諦めるという時代は終わった」と言われもしますが、理論はまだ確立されておりません。
一方で、日本の歴史を顧みますと、鎌倉時代以降、将軍家や大名の跡継ぎの多くは、禅僧が教師
であったり、少年時代に禅寺へ預けられたりしています。それはなぜだったのでしょうか。
禅は小さな自己を越え、物事を正しく見抜く目を養い、心を鍛錬して何事にも動じない精神を育
みます。これは経営者、一企業人に関わらず、社会で責任を持って生きる人には今も昔も欠かせな
い資質であると思われます。